カテゴリー: 舞台いろいろ

地人会新社『豚小屋 ~ある私的な寓話』感想おえかき

butagoya

北村有起哉さんと田畑智子さんの二人芝居

『豚小屋』~ある私的な寓話

 

軍より脱走して10年。パーヴェル・イワーノヴィッチ(北村有起哉)は湿っぽくうすら寒い家畜小屋で、豚と隣り合わせに暮らしている。

「戦勝記念の日」、その場に出て自分の存在を明らかにしようとするパーヴェル。しかし着ていくつもりだった軍服がぼろぼろだ。

そこで、妻・プラスコーヴィア(田畑智子)に未亡人として出席するよう頼む。

どちらにしても二人が「この場所」を出る事は危険であり、この先の運命がかかっているのだ。

 

生の舞台、役者さんの吐き出す音の大きさで圧倒されたことはあったけど
吸い込む音で鳥肌が立つほどぞぞっとなったのは初めて。

吸い込む音というか
吸って、はいて、を忘れてしまった過呼吸の状態になり
喉が引き攣れる音。

それに重なるたくさんの豚の、悲鳴のような鳴き声。

観てるこっちまで喉がギュっとなって、私、閉所恐怖症とかじゃないと
思ってたのに、この暗くて空気の薄い、狭い場所から早く出たいって
心から思いました。
凄かったよ…

パーヴェルが豚の中に入っていったときは
「ハンニバル」の人食い豚を思い出してヒーとなったり…
じっさい豚に食われることはなかったけど、何かが食われていたよね、あのシーンは
何かパーヴェルの中の概念的なものが食われていく感じがすごく伝わってきて
ウワァ…となりました。

なのに目を耳を閉じたいとは思わず
この二人の、人間が人間じゃなくなっていくような瞬間をまだ観たいと
(希望の光を願うのではなく)
引き込まれている自分に気づいてちょっと嫌になったりしました。

面白かったなあ。

面白かったという感想でいいんだろうか。

人の、本当にぎりぎり崖っぷちのところを見せてもらった気がします。凄かったです。

 

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